【スロヴァキア】女王追悼の花束
2022年10月 3日
エリザベス女王が亡くなったのを受け、各国の大使館が集まるブラチスラヴァ旧市街にあるイギリス大使館前には、市民が持ち寄った花束が手向けられ、蝋燭が灯されました。
私の場合、イギリス王室をはじめてリアルに認識したのはビートルズでした。「安い席の人は拍手を、残りの人は宝石をじゃらじゃらいわせてください」とジョンが女王の母親らが謁見するボックス席に向かってジョークを飛ばし、笑いに包まれてから演奏をはじめるシーンがとても印象深かったのです。
ジョンの発言が問題になることはなく、皇太后は会釈をして返します。イギリスのユーモアは多少の毒が混じることから、「ブラックユーモア」と言われ、素直に笑えないものも少なくありません。
女王のユーモアには朗らかなものも多く、とくにいまのような緊張を強いられる国際情勢下には欠かせない存在だったように思います。おおぜいの追悼者が集まるのは、そんな思いがあるからでしょうか。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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