【スロヴァキア】移動動物園の行方
2023年6月26日
近所に移動サーカスがテントを張る空き地が何カ所かあります。しかし、何年か前、スロヴァキアではサーカスで動物を使うことが禁止されました。
しっかりしたサーカス団だと飼育環境もしっかりしているのだと思いますが、弱小だとぶくぶくに太ったライオンとか、腹回りがたるんだトラとか、あきらかに動物の挙動がおかしく、芸もつまらなかったのはたしかです。
禁止されたからといって処分するわけにもいかず、第二の人生としてこうした動物たちは移動動物園で過ごしています。なにか芸をすることを強いられることもなく、のんびりしていればよい余生というわけです。
近所にゾウがいるのはちょっとシュールなのですが、この移動動物園、外からよく見えるのが弱点なようです。「あ、ゾウがいる」で終わってしまい、わざわざ高い入場料を払うのは小さな子どもがいるご家族くらいなものです。動物たちの行方がちょっと心配になります。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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