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コラム カメラマンが行く!プロゴルフトーナメント

第60回 中日クラウンズ

第60回 中日クラウンズ

優勝トロフィーを手にする宮本勝昌。

優勝トロフィーを手にする宮本勝昌。

 5月1日、平成が終わり令和の時代が幕を開けた。男子ツアーでは平成最後のトーナメント、東建ホームメイトカップでブレンダン・ジョーンズが勝者となり、令和最初のトーナメントとなるクラウンズは60回を迎え、宮本勝昌が優勝。令和の一番乗りとなった。

 中日クラウンズ最終日、令和最初の男になった宮本勝昌「今日は初めから緊張してました」というように1打差単独2位でスタートしたが、いきなり1番でダブルボギー「あれがなければもっと楽でした」。
 最近はハウスキャディーを使う機会が多いという宮本。ハウスキャディーについて「良し悪しはありますが、勘が良いというか読みがあっているというか…」今回タッグを組んだのは和合歴8年の遠竹則子さんだ。前述の1番ダボにも遠竹さんはポジティブで「プロは試合を面白くしたのです」と前向き。途中もグイグイ背中を押され、そのポジティブさがちょっと苦しい時もあったという宮本。「今日はキャディーにすべてを委ねた」という様に、優勝が懸かる最終18番3打目バーディーパットは、入れば優勝。パーでプレーオフ。10mのロングパット、ラインはうねっている。そんな局面でも遠竹さんは「真っ直ぐ打てば入ります」と自信満々。その言葉通りスネークラインを描いたボールはカップに吸い込まれた。その瞬間、宮本はガッツポーズをするのも忘れ呆然と立ち尽くした「こんな勝ち方もあるんだな」我に返った宮本は号泣する遠竹さんとハグ。昭和生まれの男も令和の時代に足跡を刻んだ。

最終18番グリーンに上がってくる貞方章男。グリーン手前ラフからの3打目は奥ラフへ。プレーオフの可能性が薄くなり渋い表情。

最終18番グリーンに上がってくる貞方章男。グリーン手前ラフからの3打目は奥ラフへ。プレーオフの可能性が薄くなり渋い表情。

 昨年は18年間守ってきた賞金シードを落とした。今年は一昨年のダンロップスリクソン福島オープン優勝での出場資格。6月にはフィッシャー症候群という視神経の病気に罹り、歩くこともできない時期があった。医者からは2週間~3ヵ月で直ると言われたが、何時直るか分からないし後遺症が残る可能性もあったという。その影響もあり18年シーズンは出場試合の半数以上で予選落ち、オフは練習に明け暮れた。
 「今日、応援に来ている子供たちには“アンダーパーで回ってくるね”と約束していた。それが優勝とは…上手くいくときはいくもんですね」「予選落ちが何度か続いても、いきなり調子良くなって優勝してしまうこともある。浮き沈みが激しいので…」次の目標はダイアモンドカップ予選通過。

 優勝の宮本に「落ち着いてプレーしていて、こうも違うのか?羨ましい」と言わせた貞方章男。1番バーディーで首位タイ、14番ボギーも17番バーディーで再び首位タイで並び、プレーオフに望みを繋げたが…。18番2打目が届かずグリーン手前ラフへ。3打目も奥ラフへ外しダボ。6アンダー5位タイ。東建でも4位タイに入り近年にない調子の良さを見せている。今年はシード復帰を目指すツアー未勝利の40歳。私的に応援したい選手の一人でもある。

 最後まで優勝に絡んできたのが昨年賞金王の今平周吾。17番バーディーで単独首位に立つも18番セカンドをバンカーに入れボギー8アンダー首位タイ。プレーオフに備え練習しながら後続を待つが、宮本が10mのバーディーパットを捻じ込み望みは消えた「あれを入れられたらしょうがない」。

初日スタートする、ジャンボ、石川、金谷組。

初日スタートする、ジャンボ、石川、金谷組。

 今年クラウンズの注目は予選ラウンドのジャンボ尾崎、石川遼、金谷拓実組。連休とはいえ初日から多くのギャラリーを引き連れた。しかし石川の調子が悪く初日70を叩き11アンダー。2日目スタート前に腰痛のため棄権を申し出た。このためジャンボさんが途中棄権できない状況に…。ジャンボが棄権したらアマチュアの金谷1人になってしまう。金谷に「俺に冷たくしなかったら最後まで付き合ってやる」とジャンボ。
 初日はジャンボの前でも物怖じすることなくガッツポーズを見せていた金谷。2日目プレイ中もジャンボから「お前、オナー取られたら罰金な、と言われました。でも、罰金は取られなかったです」。ツアー94勝72歳の大レジェンドとマスターズで活躍のアマチュア金谷拓実21歳に、石川遼が棄権不在でも多くのギャラリーが声援を送った。

比嘉一貴は初優勝に一番近い男だ。1アンダー20位タイ。

比嘉一貴は初優勝に一番近い男だ。1アンダー20位タイ。

 平成の終わり、令和の始まり2試合とも昭和生まれの“おじさん”に持っていかれたが、新しい時代の幕開けも感じさせる2試合でもあった。世代交代も始まっている。前述の今平周吾や秋吉翔太、出水田大二郎、稲盛佑貴、時松隆光、星野陸也、比嘉一貴。近年ツアー初優勝を遂げた若い世代が台頭してきている。
 この中でも私が注目するのは比嘉一貴24歳。158cmと小柄だが“飛距離よりも狙った所に打てることが大事”と正確性を重視。ドライバーも短尺を使用している。昨年の南秋田チャレンジで優勝、後半のレギュラーツアーの出場権を得る。このチャンスを活かし8試合で賞金ランク60位に入り賞金シード獲得。この記事を書いている今現在、賞金ランキングは12位。そのプレーからは“気持ち”の強さも感じられ、今もっともツアー初優勝に近いのではないだろうか。チャレンジの撮影をする私からしてみれば、前述の選手を含めチャレンジトーナメント出身の選手がレギュラーで活躍することは嬉しいことで、気持ち的に応援したくなる。男子ツアー、女子ツアーともに令和の時代を背負う若い選手たちを応援しよう。

2019年05月31日

コラムフォト

取材担当プロフィール

山之内 博章 やまのうち はくしょう (はっちゃんと呼ばれています。)
1967年2月24日名古屋市生まれO型の魚座です
ゴルフフォトグラファーをやってますが、他に人物や商品も撮ります。
特技?なんだろ?カラオケは大好き。
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