【チェコ】キュビスム建築のカフェ
2019年11月 4日
住んでいると、観光客の集まるところをつい、避けています。プラハに限らず、多くの観光地で容量オーバーのような状況がつづいていて混んでいるのもありますし、相場より値段が高いのもあります。たいていはたいしておもしくもないのに尽きます。
キュビスム建築で知られる黒い聖母の家はぼくにとって長らくそうした観光スポットのひとつで、これまで近づこうともしませんでした。ですから年輩のチェコ人が面会場所に指定してきたとき、正直、面食らいました。きっと昔の思い出でもあるのだろうと気持ちを深読みしてみました。
グランド・カフェ・オリエントは黒い聖母の家の二階にあります。いったいコーヒー一杯、いくらするのだろうと気が気でなかったのですが、意外にリーズナブルでした。さもなければここを選ぶはずはなく、さすがによく知っていると思いました。キュビスム建築の内部を仔細に観察しながらコーヒーを飲むのはなかなか贅沢なひとときで、食わず嫌いもよくないなと思いました。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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