【チェコ】"チェコスロヴァキア製"スニーカー
2020年1月27日
ボタスというスニーカーの歴史は社会主義だった1949年にさかのぼります。スクテチュという靴の街にあった8社の靴メーカーが国有化によってひとつにまとまったことで生まれました。ズリーンを拠点とする大手靴メーカーであるバチャのよきライバルでした。
靴はもともと革製で、重たく、値の張るものでしたが、バチャはスニーカーの原型と呼ばれる布の靴を生みだします。ボタスはそれをスポーツシューズとして発展させました。東京オリンピックに出場して銀メダルを獲得したチェコスロヴァキアのバレーボールチームも、ボタスのシューズを履いていたのだそうです。
2000年にウィンタースポーツのシューズメーカーとして再編されたのち、2008年から「ボタス66」というプロジェクトをはじめ、社会主義時代のレトロなデザインを活かしたスニーカーを試作しはじめます。
おじさんの目からするとちょっと古くさくてダサイかなと思うのですが、若者には逆にそこが格好良く感じられるようで、流行というものはつくづくおもしろいものだと思います。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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