【香港】干し貝柱の滋味
2020年8月10日
海のないスロヴァキアでは、なかなか思い通りには魚介類が手に入りません。流通がよくなったものの、鮮魚ですとサバや黒鯛などに限られます。貝類もあるにはあるのですが、長旅でやせ細り、いまいちです。
そんなわが家の食卓に欠かせないのが香港の干し貝柱です。小さなものをおこわやスープに少し入れるだけで、いい出汁が出て香りもよく、海の味が楽しむのにとても重宝します。
ホタテは日本から来るものが多く、値が張るため、もっぱら使っているのは小ぶりの貝柱です。奮発して市場の売り場でホタテを少し買ったところ、店のおじいさんが昔ながらの天秤を使って重さをはかっていました。
「冷蔵庫に入れておくんだよ」
朴訥なおじいさんは品物を渡しながら教えてくれました。乾物でも冷蔵庫に入れたほうがいいのかとひとつ学びを得ました。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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