【スロヴァキア】レトロデザインのスピリッツ
2022年8月29日
ときどきスーパーが社会主義の時代のパッケージを復刻した商品を集め、「レトロフェア」を実施します。
今年はお酒のコーナーが充実していて、現行のデザインより惹きつけられるものを感じますした。フォント回りの工夫がシンプルだけど、いい感じです。お土産にもオススメです。
社会主義の時代、より多くを売るためにメーカー同士が競争する考えは基本的にありませんでした。市場が国に指示された数を生産する仕組みだったからです。深刻な物不足に陥り、店に行列ができたのは計画通りに行かなかったからです。
社会主義の時代はとかくネガティブな面で語られがちですが、こうした仕組みのため、なにかを売るための広告ではなく、たとえば「牛乳を飲みましょう」といった広報の役割が求められ、そのためデザインのありようもちがったわけです。
このあたり、『不自由な自由 自由な不自由 チェコとスロヴァキアのグラフィック・デザイン』(六耀社)という本で詳しくご紹介しています。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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