【スロヴァキア】厄介な土地
2023年4月17日
不動産バブルのことを書きましたが、その一因となっていると思われるのが土地の形状です。
ブラチスラヴァの旧市街は高台に立つ城の麓に広がる本当に狭いエリアで、中世には周囲に壁が築かれ、そこにある門から出入りしていました。その外側の多くは19世紀末から20世紀以降に開発されました。
私がいま住むあたりは市内とはいえ、1950年代まで田園地帯でした。特徴的なのが写真にあるような細長い土地で、手前に家屋があり、奥は畑や果樹園になっていました。間口は狭く、そのため家は細長いかまぼこみたいになっています。
再開発にあたってはその細長い土地に10軒とか、あるいは20軒の建て売りをつくるケースが多いのですが、最低でも2軒分ないと間口が狭すぎてうまくいきません。ちょっとしたテトリスです。
隣同士で話がまとまるとよいものの、値上がりを待ちすぎたのか、1軒だけ残って、この先どうにもなりそうにない空き地もあります。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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