【ハンガリー】バラトン湖のベネディクト派修道院
2023年8月28日
ティハニは修道院の街で、1055年というから、かれこれ1000年前、バラトン湖を見下ろす高台に建てられました。
祈りの場という修道院のイメージとは裏腹に、歴史を紐解くとなかなか難儀なものがあり、ハンガリーが13世紀にタタール人(モンゴル人)に侵攻されたり、16世紀にオスマン帝国に占領されたとき、見晴らしがよいこともあって要塞化されました。
その後も解散を命じられたり、また社会主義のときには老人ホームになるなどしました。歴史を否定するような施策を、社会主義政権が好んでとっていた一例です。
いまは発掘調査が進められ、その成果が修道院内に整備されつつある博物館に展示されています。修道院とハンガリーの歴史解説もあります。
日本も明治維新の際の廃仏毀釈政策などにより、寺院や神社のあり方を大きく変えました。それにより謂われがよくわからなくなった行事や習慣があります。このあたり、世界に共通するものがありそうです。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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