【チェコ】ロシツェ城の数奇な歴史
2023年10月30日
ロシツェ城はブルノ郊外にある小さな城館です。16世紀に建てられた、ルネサンス様式の建築が目を惹きます。
内部の見学はツアーになっているのですが、これがなんとも興味深かったです。かつて領主が狩猟のために使っていて、森が一角にあるといった歴史の説明はもちろんのこと、共産主義のあいだ、公安警察の事務所や核シェルターなどとして利用され、それをかつての姿に修復したという歴史があるからです(チェコやスロヴァキアにはそうしたものが少なくありません)。
ルネサンス風の装飾が施された部屋でガイドさんは「実はここは便所でした」とさらりと言うのですが、とてもそうは見えません。便器を取り外し、アンティークの家具を置いているのですが、城館の備品だったとは限らず、そのせいでちぐはぐな印象があります。
こうした複雑怪奇な背景を前提として知ると、チェコの古城巡りにまたちがったおもしろみを感じるようになります。すっかり修復が進んだいまも、外壁の目につきにくい部分に、かつてボロボロだったころの名残が見られます。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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こんにちは。
昨日からスロバキアに入り、明日のプランを立てていた際に
増田さんの”ブラチスラバ便り”に行き着きました。
歴史の事、日常的なこと、近隣諸国の情報、そしてお土産になりそうなものの事まで、
情報盛りだくさんで、とっても愉しく読ませて頂いています。
初めは、興味深そうなタイトルで読んでいたのですが、
結局直近のコラムから遡って今は読んでいます。
1ヶ月の休暇を取って知人達との再会のためやってきましたが、
なんとなく、スロバキア、行ってみたいなと思い、今回計11泊スロバキアにすることになりました。
スロバキアのことは何も知らずにほんとになんとなく。
そんな中での”ブラチスラバ便り”との出会い。
素敵なブログに出会えた事に感謝です。
明日からはスロバキアの中央エリア北部に移動します。9日間の滞在です。
(地名がなかなか覚えられなく、、、)
今日は生憎の天気でしたが、市内歴史散策ツアーに参加してきました。
私を含めツアー参加者は上から下までびしょ濡れです(苦笑)。
それでも充分愉しいツアーでした。
さぁ、コーヒー淹れて、続きを読みたいと思います。
栃木県
Capucchino
匿名 | 2023年10月31日 22:15
コメント、ありがとうございます。11泊だと十分、堪能されたのではないかと思います。
増田 幸弘から匿名への返信 | 2023年11月30日 00:42