午前中に出て、ゆっくり下道を走る途中で、お昼時になったのでまずは腹ごしらえ。
たまたま入ったのは、飛騨牛の牛まぶしが有名な「みわ屋」。ちょうどお昼時ということもあり、何組かすでに待ちが出ている。お肉の焼けるいい匂いを嗅ぎながらメニューを選び、10分ほどで窓際の山並みを望む席につけた。オーダーした和牛ステーキはボリューム満点定食。最近はA5ランクの霜降りを身体が受け付けないが、特大赤身ステーキの身はとってもジューシーで、ぺろりと完食してしまった。
さて、ランチの余韻に浸りながら再度19号に出て先を進む。今回選んだ温泉地は南木曽にある富貴の森温泉。19号から御岳山とは逆方向、東へ道を外れて山道をぴったり10km走る。看板だけをたよりにひたすら先へすすむと、2軒の宿以外あたりは何もない場所につく。ここが富貴畑高原、富貴の森だ。私の記憶だと、5、6年前は1軒の秘湯宿しかなかった。今日はもう1軒の宿、ホテル富貴の森の湯をいただくことにする。
ホテルといっても宿泊は12室のみのこじんまりとした宿だが、温泉の広さや造りはとても贅沢。この辺りは木曽檜が有名であるが、館内はその檜をふんだんに使用しており、吹き抜けのエントランスに入ると木曽檜の心地よい香りに癒される。ここまで日帰り入浴をしに来るお客さんもまばらのようで、ほぼ貸し切り状態で大浴場に入った。
これまた総檜で造られた内湯の湯船につかると、窓の外に南木曽の山並みが見える。つるつるとしたアルカリ性単純温泉で、惜しみなく流出するお湯に冷えた身体を長いこと沈める。十分にあったまったところで、露天風呂の方へ出てみると、これまた総檜で造られた湯船に、ジャグジーの泡がぷくぷくと賑やかに湧いていた。誰もいない湯船に手足を伸ばして浸かり、周りを見上げると、枯木の山々が遠くまで見える。ちょうど日が落ちてきたところで、雨上がりの夕焼けが遠くに大きく見えた。夜はきっと満天の星空が望めるに違いない。
内湯と露天を何度か往復したら、大分身体が火照ってきたので、後ろ髪を引かれる思いで湯から上がる。外に出て冬枯れのひんやりとした空気を吸い込むと肺の中が洗浄された気分になった。脱衣所に設置してある山の湧き水で乾いた喉を潤す。
帰り19号に出た時はあたりもすっかり暗くなっていた。中津川まで来たらもうひとつおまけに必ず立寄りたいのが和菓子の「すや」。今では東海地方以外のデパ地下でも目にするくらい有名になってしまったが、ここで定番の栗きんとんと共に何種か和菓子を調達した。
帰宅して、すべすべになった肌を愛でながら温泉の余韻に浸るべく「すや」の和菓子を賞味した。季節を肌で感じることができる霊峰近隣の隠れ宿。次は是非、新緑の時期に泊まりで行きたい。
【富貴の森温泉】
住所: 長野県木曽郡南木曽町吾妻4644-7
電話: 0264-58-2288
アクセス: 中央自動車道 中津川IC – 国道19号 – 256号を右折10km
泉温(源泉): 18.7度(PH値:8.78)
泉質名: アルカリ性単純硫黄冷鉱泉
色・味・匂: 弱濁色、無味、弱硫黄臭
効能: 神経痛、筋肉痛、間接痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消、火器病、痔疾、冷え性、病後の回復、健康増進、慢性皮膚炎、慢性婦人病、きりきず、糖尿病
公式HP: www.fukinomori.com
2014年02月07日